留意事項
報告義務、罰則、輸出先国からの税務調査への対応に関する留意点です。
報告義務等
1.特定原産品でなかったこと等の通知義務(証明法第6条)
証明書の内容に誤りがあった場合等は特定原産地証明書の発給を受けた日から「経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律施行規則」(平成17年経済産業省令第9号)で定める下記のそれぞれの期間を経過する日までの間、指定発給機関(日本商工会議所)に遅滞なく書面により通知することが必要です。
- (1)輸出者(証明書受給者)に対する通知義務
- ①証明書の発給を受けた産品が特定原産品でなかったこと(5年または3年)
- ②申請書の記載又は資料の内容の誤りにより証明書の記載に誤りが生じたこと(1年)
- ③証明書に記載された事項に変更があったこと(1年)
- ②申請書の記載又は資料の内容の誤りにより証明書の記載に誤りが生じたこと(1年)
- (2)原産品であることを明らかにする資料を提出した生産者(特定証明資料提出者)に対する通知義務
- ①証明書の発給を受けた産品が特定原産品でなかったこと(5年または3年)
- ②提出した資料の内容に誤りがあったこと(1年)
また、発給の決定が取り消された場合、相手国の当局にその旨が通報されます(証明法第28条。通報の前に証明書が返納された場合を除く)。
証明書の発給が取り消された場合には、取り消された証明書を所持する証明書受給者は、遅滞なく、その証明書を経済産業大臣に返納しなければなりません(証明法第29条)。返納する義務を怠った輸出者には、30万円以下の罰金が科されます(証明法第38条)。
2.証明書受給者及び特定証明資料提出者の報告等(証明法第26条)
証明法第6条の通知(特定原産品でなかったこと等の通知)義務が遵守されているか否かを確認するため、証明書受給者、特定証明資料提出者に対する経済産業大臣又は指定発給機関が実施する報告要請・実地検査が行われる場合があります。報告要請・実地検査は、対象とされた証明書受給者の同意の上で行われるものであり、強制措置ではありませんが、経済産業大臣が実施する報告要請・実地検査の同意を拒むと、証明書発給の決定取消しを受ける場合があります(証明法第27条)。
また、発給の決定が取り消された場合、相手国の当局にその旨が通報されます(証明法第28条。通報の前に証明書が返納された場合を除く)。
罰則
3 証明書受給者等にかかる罰則
証明書受給者等に対する証明法に基づく義務違反等に対する罰則は主に以下のとおりです。
| 違反行為の内容 | 該当条文 | 罰金額 |
|---|---|---|
| 標章の使用制限違反 | 第35条 | 50万円以下 |
| 虚偽の申請者 | 第36条 | 30万円以下 |
| 原産品でなかったことの通知義務違反 | 第37条 | 30万円以下 |
| 原産地証明書の返納義務違反 | 第38条 | 30万円以下 |
また、特定原産地証明書を偽造した場合には、刑法155条の公文書偽造に該当し、1年以上10年以下の懲役の対象となります。
輸出先国からの税務調査(検認)
4 原産品であるか否かについての確認(Verification)への対応
EPAにおいて、輸入国の関係当局は、輸出国から輸入される産品がその輸出国の原産品であるか否かを決定するため、輸出国の権限のある政府当局などに対し、以下の要請ができることが規定されています。
参考:経済連携協定(EPA)に基づく原産地証明書(第三者証明制度)への検認について〔経済産業省〕
| 協定 | 誓約相手国から 日本国に対する 情報提供の要請 |
締約相手国が 必要と認める場合に、 日本国に対する追加の 情報提供の要請 |
実地に生産設備を 確認すること等の要請 |
|---|---|---|---|
| 日メキシコ協定 (回答期限) |
協定第44条1(a) (6カ月以内) |
協定第44条3 (3ヶ月以内) |
協定第44条1(c) (45日以内) |
| 日マレーシア協定 (回答期限) |
協定第43条1 (3ヶ月以内) |
協定第43条2 (2ヶ月以内) |
協定第44条1 (30日以内) |
| 日チリ協定 (回答期限) |
協定第47条1 (3ヶ月以内) |
協定第47条2 (2ヶ月以内) |
協定第48条1 (30日以内) |
| 日タイ協定 (回答期限) |
協定第43条1 (3ヶ月以内) |
協定第43条2 (2ヶ月以内) |
協定第44条1 (30日以内) |
| 日インドネシア協定 (回答期限) |
協定第43条1 (6ヶ月以内) |
協定第43条2 (4ヶ月以内) |
協定第44条1 (30日以内) |
| 日ブルネイ協定 (回答期限) |
協定第40条1 (3ヶ月以内) |
協定第40条2 (2ヶ月以内) |
協定第41条1 (30日以内) |
| 日アセアン協定 (回答期限) |
運用上の証明手続 第6規則1 (3ヶ月以内) |
運用上の証明手続 第6規則2 (3ヶ月以内) |
運用上の証明手続 第7規則1 (30日以内) |
| 日フィリピン協定 (回答期限) |
協定第43条1 (3ヶ月以内) |
協定第43条2 (2ヶ月以内) |
協定第44条1 (30日以内) |
| 日ベトナム協定 (回答期限) |
運用上の証明手続 第6規則1 (90日以内) |
運用上の証明手続 第6規則2 (90日以内) |
運用上の証明手続 第7規則1 (30日以内) |
| 日スイス協定 (回答期限) |
附属書2第25条1、第25条4、第25条8 (10ヶ月以内) |
||
| 日インド協定 (回答期限) |
運用上の証明手続 第6節1 (3ヶ月以内) |
運用上の証明手続 第6節2 (2ヶ月以内) |
運用上の証明手続 第7節1 (30日以内) |
| 日ペルー協定 (回答期限) |
協定第66条2(b) (3ヶ月以内) |
協定第66条4(b) (2ヶ月以内) |
協定第66条2(d) (30日以内) |
| 日オーストラリア協定 (回答期限) |
協定3・21条2(b)、(c) (45日以内又は合意するその他の期間) |
協定3・21条2(d) (30日以内) |
|
| 日モンゴル協定 回答期限) |
協定3・18条2 (4ヶ月以内) |
協定3・18条3 (2ヶ月以内) |
協定3・19条1 (30日以内) |
| RCEP協定 (回答期限) |
協定第3・24条4(a) (30日以上90日以下) |
協定第3・24条4(b) (30日以内) |
|
なお、期限までに回答がない場合、または回答が不十分な場合には特恵待遇が否認されます。